「児童養護施設・乳児院へプレゼント」を贈ろう

東京都 杉並区(とうきょうと すぎなみく)

乳児院『カリタスの園つぼみの寮』の新生児室
乳児院『カリタスの園つぼみの寮』の新生児室。職員たちが毎シーズン手作りするカラフルな装飾が壁や天井に飾られています(撮影:谷本恵)

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親と暮らせない子どもたちに"必要なもの"を支援

杉並区は、乳児院と児童養護施設の数が東京23区内で最も多く、23区内に8ヶ所ある乳児院のうち2つ、25ヶ所ある児童養護施設のうちの5つが設けられています。2018年8月1日現在、乳児院では72名、児童養護施設では239名の子どもたちが生活しています。そうした現状から、「子どもたちをもっと笑顔にしたい」と平成29年7月より、この支援がスタートしました(杉並区 ふるさと納税担当 石田課長)。

4つの基金いずれかへの寄付が支援につながります

  • 次世代育成基金のイメージ写真
  • みどりの基金のイメージ写真
  • 社会福祉基金のイメージ写真
  • NPO支援基金のイメージ写真

写真は左上「次世代育成基金」、右上「みどりの基金」、左下「社会福祉基金」、右下「NPO支援基金」のイメージ画像

写真は左から、「次世代育成基金」、「みどりの基金」、「社会福祉基金」、「NPO支援基金」のイメージ画像

杉並区は、『健全な寄附文化の醸成』に向け、"目的"に応じた4つの基金を設けて寄付を受け付けています。そのうちの1つに寄付を行うと(かつ返礼品の受け取り辞退者のみ)、寄付金の3割相当額を乳児院や児童養護施設の子どもたちへプレゼントすることができます。

4つの基金

1,「次世代育成基金」
...区と交流のある自治体との子ども交流会や、海外留学等のほか、オリンピック選手とのスポーツ体験や科学教室など、子どもたちのさまざまな分野での体験や交流のために活用
2,「みどりの基金」
...生け垣の設置や、屋上・壁面緑化にかかる工事費の一部助成、民有地の樹木や樹林の保全、区を代表する公園等の整備に活用
3,「社会福祉基金」
...社会福祉の充実のため、施設の建設助成や、社会福祉資源の拡充、社会福祉活動の支援に活用
4,「NPO支援基金」
...子どもたちの見守り活動や無料学習支援、高齢者の健康に役立つ活動、障がい者や在日外国人との交流事業等、地域に貢献するNPO団体の活動支援に活用
乳児院『カリタスの園つぼみの寮』のエントランス
乳児院『カリタスの園つぼみの寮』のエントランス。カトリックの精神である家庭的な養育とカリタス(愛)の実践を心がけて0~2歳の子どもたちを養育しています(撮影:谷本恵)

寄付金の3割相当額は、区内に7ヶ所ある乳児院・児童養護施設に杉並区内共通商品券として贈られます。支援初年となった平成29年の寄付金は、翌年2月に行われた贈呈式で各施設にプレゼントされました。
乳児院・児童養護施設の子どもたちへのプレゼントを含む、4つの基金への寄付は、ふるさと納税の対象です。杉並区民も寄付金控除による税制優遇措置が受けられるため、区内の寄付者も増えています。

子どもたちの施設での生活

乳児院『カリタスの園つぼみの寮』の共同生活写真
乳児院『カリタスの園つぼみの寮』では、月齢ごとに四つの部屋に分かれて共同生活を送っています(撮影:谷本恵)

杉並区内には、『カリタスの園つぼみの寮』『聖友乳児院』の2つの乳児院と、『カリタスの園小百合の寮』『救世軍世光寮』『杉並学園』『聖友学園』『東京家庭学校』の5つの児童養護施設、計7つの施設があります。

現在、『カリタスの園つぼみの寮』では、0~2歳までの子どもたちが35人ほど一緒に暮らしています。同院に入所する子どもたちの背景には、さまざまな事情があり、生後5日目の赤ちゃんが入所することもあります。

日中は、職員と一緒に室内や庭で遊んだり、外へ散歩に出かけたりし、夜19時には就寝するといった、ルールに基づいた生活の中で毎日を過ごしています。子どもを中心とした家庭での暮らしとは異なりますが、職員が精一杯愛情を持って養育しており、院内には子どもたちの笑顔が溢れています

寄付金でお洋服や靴を購入させていただきました

  • プレゼントの衣類と靴
  • プレゼントの衣類と靴

『カリタスの園つぼみの寮』では、平成29年度のプレゼントは衣類と靴の購入に充てました(上記写真は全て購入品)。これは、「職員の総意だった」と、養育主任の遠矢さんは話します。

「ここには二つの意味合いがあります。一つは着たい服を自分で決めるという意思決定を通じた子どもたちの自立心の醸成。もう一つは、日常とは違う装いを楽しむことによる心の充足です。そのため、今回は衣類のなかでもおしゃれ着を購入させていただき、イベントのたびに子どもたちに着てもらっています」

この背景には、国から支給される子どもの措置費のうち、衣類等の被服費が大きなウエイトを占めている事実にあります。「遊びや食事など、生活するうえで服の傷みは避けられません。子どもは成長も早く、服の購入頻度はどうしても高くなりがちです。寄付金によって普段買えないものを買える点は、本当にありがたいです」(施設長の谷口さん)。

区の商品券を利用した施策で街を活性化

寄付金で購入した子どもたちのオシャレ着と靴
寄付金で乳児院『カリタスの園つぼみの寮』が実際に購入した子どもたちのオシャレ着と靴(撮影:谷本恵)

各施設へのプレゼントは、杉並区内で利用できる共通商品券という形で贈られます。「これは、普段の買い物を量販店やインターネットで済ますことの多い同院にとって、新鮮なことでした」と谷口さんは言います。

「物品の購入をとおし、地域に目を向ける良い機会になりました。杉並区への還元にもつながるため、地域活性化の一役を私たちが担えている点も喜ばしく感じています」

今後は、プレゼントを社会体験活動にも活用したい」と話す、遠矢さん。そこには、衣類の購入同様、子どもたちに一般の家庭での生活に近い体験をしてほしいという想いがあります。

「具体的には、店での買い物や外食等が挙げられます。子どもたちの社会性を養い、精神的な成長を促すためにも、"経験"の機会をもっと増やしていきたいです」

なお、他の施設からは、「電子ピアノ」や「デジタルカメラ」を購入したという報告が届いています。施設で暮らす子どもたちにも、家庭で暮らす子どもたちと同様の"楽しみ"を届けることを、この取り組みをとおして実現していきます。
購入された品物については、杉並区の公式ホームページで公開されています。

編集:Yahoo!ふるさと納税
取材・文:香川妙美(リベルタ)
構成・編集:米本きょうこ(リベルタ)
撮影:谷本恵
写真:アフロ

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